異形の惑星

異形の惑星 系外惑星形成理論から 井田茂 NHKブックス966
ISBN4-14-001966-2 1,070円 2003年4月

目次
序章 豊饒の宇宙
第1章 未知なる異形世界の幕開け
第2章 プラネット・ハンターたちの苦闘と栄光
第3章 再構築を迫られた太陽系形成理論
第4章 異形の惑星たちの起源に挑む
第5章 統一的な惑星形成理論の構築へ
第6章 この銀河系地球型惑星はいくつあるのか
終章 さらなる惑星フロンティアの開拓
参考文献・資料
あとがき〜祭りのあとの熱気

 1995年以後、太陽系以外の惑星系が続々と見つかった。しかしその姿は、太陽系とはあまりに違うものだった。中心星のごく近くを高速で回る巨大惑星(ホット・ジュピター)、きわめて大きな離心率をもつ(灼熱と極寒の世界を行き来する)惑星(エキセントリック・プラネット)など。

 筆者は太陽系形成の「標準モデル」を打ち立てた京大学派(林忠四郎)の流れをくんでいる。しかし、その「標準モデル」は、こうした異形の惑星の発見により再検討を迫られている。いま、惑星形成理論は熱気のるつぼの中にあるようだ。そうした興奮が伝わってくる。 

2003年5月記

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