バタン漂流記 神力丸巴丹漂流記を追って 臼井洋輔 叢文社
ISBN4-7947-0386-4 2,800円 2001年9月
目次
まえがき
星の章
1 三つの時代の目をもって
2 漂流記から何を読みとるか
3 漂流記との出会い
4 バタンに立つ
5 バタンの島々とイラヤ山
6 荒海の航海と遭難
7 消えていた墓と伝説
知の章
1 バタンの文化
2 カヌー
3 バタンと日本の文化的関連
4 サブタン島へ
流の章
1 イブホス島漂着
2 イブホス島探索と同僚の弔い
3 スムナンガ村に人間生活の原点を見た
4 サブタン島の生活有形文化
5 サブタン島からの帰還
6 巴丹(バタン)の国流転
7 320年前のバタン国
8 呂宋(ルソン)の国流転
9 澳門(マカオ)流転
10 唐国(内陸部)流転
11 漂流者たちの帰国
12 付記
註
付録
あとがき
1830年に遭難し、翌年に帰国がかなった岡山県を中心とした船乗りたち(御用米を運搬していたので武士も乗っていた)の物語。フィリピンの北部バタン島にたどり着いた際に船が大破して、その時点で16人中5人が死亡した。残りは中国経由で帰国する。
こちらは「漂流記」を読みたいわけだが、すぐに著書の民俗学的考証が始まる。正直いって、これは「知の章」にまとめて欲しい。漂流記を書く視点も、乗り込んでいた武士から見たのか、船乗りから見たのかもはっきりしない。
2003年8月記