浮気な国王フェリペ四世の宮廷生活 佐竹謙一 岩波書店
ISBN4-00-00186-8 2003年3月 3,400円
目次
はじめに
I
第1章 スペイン国王フェリペ四世、誕生
第2章 浮気な国王の放埒な宮廷生活
第3章 フェリペ四世の告白できない告白
第4章 スペイン帝国の危機と王家の不幸
第5章 世俗を逃れて/恩寵を求めて
第6章 国王の晩年と黄昏ゆくスペイン
II
17世紀スペインの望遠鏡
<注>
あとがき
主要参考文献
人名索引
政治(軍事)・経済的なピークは過去のものとなり(1581年ネーデルラン独立、1588年『無敵艦隊』壊滅)、しかし文化は最盛期を迎えたスペイン。ハプスブルグ家のフェリペ四世はそうしたスペインの王であった(1621〜65年)。
しかし、彼には往時の栄光を取り戻すような能力はなかった。祝宴・観劇、狩猟、それに色狂いに明け暮れる。
この本の第I部では、フェリペ四世の個人的な生活に焦点を当て、彼を取り巻く世界を描く。第II部では当時のスペインを俯瞰する。スペイン没落の原因は、国内での基本的な産業(とそれを担う中産階級)の育成を怠り、海外植民地からもたらされる富に依存していためであることがわかる。
2003年2月記