遊ぶ人語不思議な日本語 飯間浩明 岩波アクティブ新書75
ISBN4-00-700075-1 700円 2003年6月
目次
はじめに
I 不思議な日本語
1 おそろしくやさしい人
2 大したたまげた
3 「でも」か「ででも」か
4 手こそくださね
5 ふぐは食いたいし
6 のむヨーグルト
7 青い空と青空
8 「猫々」とは言えないのか
II 嫌われる日本語
1 「行かれる」はヘンか?
2 鎌倉時代の「さ入れことば」
3 私だけだろうか
4 ことほどさように
5 大きな私
6 役所は命令する
7 81番様
8 あっ、どうもどうも
9 ご苦労様
III 変わる日本語
1 やせませんー?
2 私の中では
3 「なやましい」の新?用法
4 恋いもありいの、涙もありいの
5 真っ向勝負
6 ていたらくぶり
7 男のポップス・女のポップス
8 生きくれよ
IV 遊ぶ日本語
1 「モーニング娘。」は文か
2 飲みニュケーション
3 魑魅魍魎(ちみもうりょう)
4 馬から落ちて落馬して
5 桃はなぜ「モモ」なのか
6 「あめつち」を作る
V 文字の日本語
1 麦のあいよせ
2 国境の長いトンネル
3 智に働けば?
4 漱石夫人の「のの」
5 不自然な「舞姫」
6 「源氏物語」のあいさつ
おわりに
索引
目次に上げられたような言葉を考察する。筆者は「81番様」とか、「1名様、入りまーす」とか、「またお越しくださいませ」(テーブルで)いわれると、愕然とするそうだ。私は気にならないが。
「ご苦労様」は目上の人には使えないというのは「俗説」であることも明らかにする。ここは同感。「なやましい寝姿」よりは、「なやましい問題」の方が、古代の用法にはあっているという。
「モーニング娘。」に“。”がついているのは知らなかった。
朝日新聞の「誤りやすい慣用句」に、「射的距離に入る」「車の轍」があるそうだ。しかし、「もろ刃のやいば」(もろ刃の剣)や、「後で後悔」はいいだろうという。
川端康成の雪国の「国境のトンネルを抜けると」は「くにざかいの…」と読む一派と、「こっきょうの…」と読む一派があるという。筆者とぢらでもいいではないかとの立場。漱石の草枕の「智に働けば」は、別に頭を使うという意味ではなく、「『智・情・意』のいずれかに傾くと」という意味らしい。
いろいろと日本語は難しい。
2003年6月記