地磁気逆転X年

地磁気逆転X年
網川秀雄 岩波ジュニア新書397
2002年5月 780円 ISBN 4-00-500397-4

地球は電磁石だ
ミクロの粒子が地磁気を記録する
地磁気の強さは変化する
地磁気は逆転する
宇宙空間の地磁気バリア
逆転しそこなった地磁気
海底は地磁気のテープレコーダ
今の地磁気は強すぎる
1億年前、地磁気の逆転はなかった
地球の中のスーパー発電所
かつて火星にも磁場があった
地磁気逆転X年

 

 地球ばかりか、月・惑星の新しいデータも紹介しながら、なぜ地球は磁石になっているのか、過去の地球磁場をどのようにして調べるのか、地球磁場はどう変化してきたのか、今後どうなるのかなどが書かれている。地球内部には巨大な電流が流れている、などの事実を知るだけでも驚きかもしれない。

 すでに現在の磁極の向き(正磁極期、地磁気のS極が北極地方にある時期)になって78万年。断続的に逆転を繰り返す地磁気としては、この78万年はかなり長いといえよう(ここ500万年間では一番長い)。そして現在地球の磁場は、この100年で5%も弱くなっている。地磁気が逆転する時には一時的に、地磁気がなくなることも知られている。ということは、いままさに地磁気は逆転しようとしているのか。そして、地磁気が0(ゼロ)になったら、地磁気のシールドにより太陽風の直撃が防がれている地球はどうなるのか。

 ということなども書かれている。

 地磁気に関する適当な解説書が、かなり古いものばかりになってきたところなので、とてもよい本が、よいタイミングで出版されたと思う。

2002年7月記

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