オーロラ
赤祖父俊一 岩波新書新赤799 2002年9月
780円 ISBN:4-00-430799-6
はじめに
1 オーロラはどんなものか
2 伝説と記録
3 極地探検家たち
4 極地開拓者たち
5 オーロラ科学の夜明け
6 オーロラ科学のパイオニアたち
7 オーロラ科学の発展
8 オーロラの秘密に迫る
あとがき
オーロラの科学を直接に解説するのではなく、人類とオーロラの関係の歴史(伝説と記録)から述べた本。オーロラは日本でもしばしば見らたという。もちろん、オーロラの科学の解説もある。すでに1860年にオーロラ帯の存在がわかっていたようだ。オーロラの下端の高さは100km、上端は300km〜500kmで、まさにスペース・シャトルが飛ぶ高さである。また、オーロラの電力は100万MW程度で、日本とアメリカの全電力をまかなえるほどだという。
※ 2000年4月7日に北海道で観測されたオーロラについては
http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/member/shiokawa/aurora.html
黒点と磁気嵐の関係を否定したケルビン卿の話も出ている。太陽風(太陽表面から飛び出てくる荷電粒子)の存在を知らなかったためである。(ケルビン卿は地球の年齢についても、内部の熱源の存在を知らなかったので、一方的に冷えると仮定して4000万年という数値を出している)。
そして、今日なおオーロラ電子の加速機構、オーロラシートがなぜあれほど薄い(500mほど)のかが解明できていないという。さらに木星など他の惑星のオーロラにも言及している。
気になったのは、p.80での「摂氏」という表記、日本の偏角を5°西としていること(p.87、場所によって違うが6°〜10°西、理科年表2002)、p.105での太陽の自転周期記述(p.209の方がわかりやすいと思う)くらい。
2002年9月記