地震・津波・噴火の歴史 追加と正誤表

産総研地質調査総合センターの研究員 棚橋 学氏、兵庫県立須磨東高等学校 岸本 浩氏、入内島 健氏、時事通信社解説委員中川和之氏とその他読者からの情報とご指摘です。「ブラサ」についてはさらに調べ直してみました。ありがとうございます。

※ 地震ジャーナル第63号(2017年6月、地震予知総合振興会)に書評が載りました。 
http://www.adep.or.jp/public/img/63.pdf

※ 刷により、訂正箇所の数が違います。赤色は2018年8月31日に追加したものです。

☆ 追加・訂正

・p.4 まえがき 気象衛星などに代表されるの段

犠牲者が多く出るような気象災害は、1959年の伊勢湾台風を最後に起きていません。

 → 数千人の犠牲者が出るような気象災害は、1959年の伊勢湾台風を最後に起きていません。

(2018年7月の豪雨で230人の犠牲者が出ました)

 

・p.10 上から5行目

海のプレートにのっていたものが

 → 海のプレートに乗っていたものが

 

・p21 下から9行目

阿蘇(26km×23km) → 阿蘇(25km×18km)

 

・p.23 下から3行目

地震の1割以上が(付近を含めて)で起きているという → 地震の1割以上が(付近を含めて)起きているという

 

・p.45 国府津−松田断層の図

 相模原トラフ → 相模トラフ

 

・p.53 下から11行目 「右岸」の説明

右岸=川の流れに向かって右側

 → 右岸=下流を向いて右側

 

・p.54 上から8行目

 支払われないこともありますが、その場合は面倒で、それを自分の責任で → 支払われないこともありますが、そのときは面倒で、それを自分の責任で

 

・p.57 最下行から

 町よりも七ブラザ(筆者注:ブラザは長さの単位、1ブラザが何mなのかは不明)以上の高さで(波が)打ち寄せた。

  → 町よりも七ブラサ(ブラサは長さを表す古い単位の一つで約2m(1.7m〜2.2m)。7ブラサ≒14mになるので、現在の推定値10m以上と矛盾しない)

  → 町よりも七ブラサ(著者注:ブラサは長さを表す… → ブラサ(尋(ひろ)、ファゾム)は深さを表す…

※ ブラサの原綴りはわかりませんが、brasa、braza、bracaなどを検索すると下のようにあり、1.6718m〜2.2mという換算になるようです。

・ brasa unit of length で検索

Numbers and Units in Old Tagalog - 148 ページ - Google ブック検索結果
Jean-Paul G. POTET - 2016 - ‎Social Science
BRAZA : Span. braza pl. brazas (> Tag. brasa : brása) = fathom, a Spanish unit of length mainly used in the navy; it is equivalent to 2 varas or 1.6718m(Academia)
読みは「ブラサ」のようです。

ここでfathomという単位も出てきます。
Historical Dictionary of Chile - 780 ページ
Premetric unit of length (0.836 meter). Two varas (“yards”) make a braza(“fathom”).

ファゾムなら現在でも残っている単位で、日本語では尋(ひろ) になり、6feet(183cm)になります。なので、上の1.6718mに近いですが、微妙に違ってしまいます。

・braza unit of length で検索

フィリピンに残っていた単位らしいとこはわかります。

・ braca unit of length で検索

Europe and China: Science and Arts in the 17th and 18th Centuries139ページの脚注には、下のようにあります。
Varas is an old unit of length : 1vara = 1.1m
Braca is an old unit of length : 2.2m corresponds to 2varas

もう一つ、End of the Peasantry: The Rural Labor Movement in Northeast Brazil, ...Anthony Pereira - 1997 では

braca is unit of length ,about six feet とあり、そうすると1braca=183cmになります。

ただ、現在ではきちんと1feet=0.3048cmとなっていますが、もともと定義の曖昧(人の足の大きさ)なものです。

 そこで、1ブラザ≒2mとしました。

※ 単純にポルトガル語辞典とスペイン語辞典で調べました(2016年11月1日)。そう厳密なものではないでしょうから、とりあえず1ブラザ≒2mでもいいかと思います。

ポルトガル語辞典では「braca」→長さの単位としては「尋、ファゾム」

スペイン語辞典では「braza」→長さの単位としては「尋、ファゾム」

 

・p.67 メタンハイドレートの分布図(元図)
 モノクロにする過程で黄色(メタンハイドレートが存在するところ)と薄緑(紀南海山列)の区別がなくなった。右の図を参照してください。

https://staff.aist.go.jp/okuda.gsj/sonota.htm http://www.mh21japan.gr.jp/pdf/BSR_2009.pdf

・p.95 下から8行目 上の“地球の気候に影響を与えるほどではありません。”に引きずられてしまいましたが、「直接的な」につなげるのなら「原因」のほうがいいと思います。

「天明の大飢饉」の直接的な影響とは → 「天明の大飢饉」の直接的な原因とは

 

p.101 ※印
長崎県の西。佐世保から平戸沖の群島

 → 長崎県の西佐世保から平戸沖の群島 

 

・p.125 下から5行目

震災の防止(耐震建築の研究など)と地震予知を目的とする地震予防調査会 → 震災予防調査会

 

・p.147 上から3行目

「彼は心臓の鼓動4拍で1秒という訓練を積んでいるので…」 → 「彼は1秒間に1、2、3、4と数を4回数える(1秒で4拍)訓練を積んでいるので…」

 

・p.151 上から4行目

 1923年の関東大地震は、ユーラシアプレートとその下に潜り込もうとしているフィリピン海プレートとの境界で起こる境界型(海溝型)の地震で

→ 1923年の関東大地震は、北米プレートとその下に潜り込もうとしているフィリピン海プレートとの境界で起こる境界型(海溝型)の地震で

 

p.164 最後に追加


※ 大規模地震特別措置法」(大震法)が施行されてから40年経ち、1970年代には可能だと思われていた確度の高い“地震予知”が想像以上に難しいことがわかってきました。そこで、政府(中央防災会議)は、予知を前提とせず、また震源域を駿河湾に限定せず南海トラフ全般にわたる防災対策の構築を図るという方針を発表しました。(2017年8月)

・p.169 本文1行目

 1月3日(?)に三河湾で起きた → 1月13日に三河湾で起きた

 

p.176 最後に追加

※ 南海トラフで今後起きるだろう地震と「大震法」については164ページ参照。

 

p.202 1968年 日向灘で地震 の前、松代群発地震の一番最後に追加

※ 「大規模地震特別措置法」(大震法)についていはp.164参照。

 

・p.213 上から2行目

 16時15分 → 11月21日16時15分

 

・p.216 図のキャプション

 地層断面所 → 地層大切断面

 

p.238 第一段落の最後(「過去の噴火と比べても小規模なものでした。」)に追加

なお、水蒸気爆発、マグマ水蒸気爆発などについては121ページ参照。

 

p.254 下から2行目

もう一つはそれにともなう大津波でしょう。

 →もう一つはそれに伴う大津波でしょう。

 

p.272 噴火警戒レベル

2016年初めの段階では34の火山で

 → 2018年5月の段階では41の火山で

p.285 1行目 ルビを追加

川内原発 の“川内”に「せんだい」とルビ

 

・p.288 「中央構造線と中央構造線活断層系」の項は、政府地震調査研究推進本部の中央構造線帯(金剛山地東縁−由布院)の長期評価(第二版、2017年12月19日)を受けて全面改定。
http://www.jishinhonbu.jp/main/chousa/katsudansou_pdf/20171219_mtl.pdf

中央構造線と中央構造線活断層帯
 構造線とは地質が大きく異なる境の断層線のことで、中央構造線は日本列島の地質区分である西南本内帯(日本海側)と西南日本外帯(太平洋側)の境界を指します。具体的には1億年前から7000万年前に形成された高温型の変成岩が広く分布する領家変成帯と、9000万年前から6000万年前に形成された高圧型の変成岩が広く分布する三波川変成帯の境界です。中央構造線は1億年以上前から活動している大断層で、この断層運動の結果、異なる場所でできたはずの二つの変成帯が接するようになったのです。いわば古傷です。現在はこの古傷にほぼ沿うような活断層系である中央構造線活断層帯が存在しています。その動きは四国では右の横ずれ断層です。
 問題は、この中央構造線活断層帯が西へどこまで延びているのかです。2017年12月19日政府の地震調査研究推進本部は「中央構造線断層帯(金剛山地東縁−由布院)の長期評価(第二版)」を公表しました。それによると、中央構造線は九州には延びていいないとしていたこれまでの見解を一部改め、「伊予灘からさらに西に延び別府湾を経て大分県由布市に達している。」としました。熊本地震の際に活動した別府−万年山断層帯も中央構造線の一部ということになります。ただこの断層帯は雁行の正断層帯で、四国では右の横ずれ断層ですから断層の性格は違います。
 では、熊本地震の際に動いた他の断層帯(p.284の図のA地域、B地域の断層)は、中央構造線の延長なのでしょうか。いまのところそれを断定する証拠はない、つまり、まだ不明ということです。ただ、地震の直後から中央構造線が川内原発の近くを通っているかのような図が一部で出回りましたが、これは正しい図とはいえません。
 大きな目で見れば、中央構造線も、九州の断層帯(284ページの図のA地域、B地域、C地域の断層帯)も、ユーラシアプレートに沈み込むフィリピン海プレートの動きがもとになっています。この沈み込みが南海トラフを作り、そこで起こる大地震・巨大地震を発生させています。さらに沈み込む場所からは離れていますが、ユーラシアプレート内で中央構造線という大断層をつくり、そのの右ずれの動きを生じさせています。そして、さらにフィリピン海プレートの沈み込みが九州の地下深くでは若干ねじれを伴っているためか、拡張域である別府−島原地溝帯(55ページ)をつくって、そこに火山や正断層(それに伴う地震)を生じさせていることになります。

・p.292上から6行目

 活断層もあるいうことです。 → 活断層もあるということです。

 

p.298(あとがき)の最後に追加

※ 2018年8月19日に南西太平洋のフィジーで、深さ536km、マグニチュード(Mw)8.2という深発の巨大地震が起きました。震源断層は正断層型です。つまり、2015年5月30日に小笠原西方で起きた地震(震源の深さ682km、M8.1、正断層型)と共通点があります。何か意味がありそうだと思いますが、よくわかりません。 

 

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