パタゴニア(1月1日)

世界の果て号、ティエラ・デル・フェゴ国立公園,、ビーグル水道クルーズ

 早朝、朝食前に観光桟橋まで散歩に行ってきました。晴れていれば、南半球の夜空、上下が逆になった星座などを見たかったのですが、今回の旅行ではその機会がなく、初日に左右逆の上弦の月を見ただけでした。

 外はダウン・ジャケットを着ないと寒いくらいです。まだカウントダウン・パーティの続きをやっているようなお店や、パーティが終わって外に出てきた若者たちがいました。観光桟橋には南極を含め、いろいろなツアーを斡旋するブースがあります。

 ホテルの戻り、朝食です。旅行会社の人からお餅入りお雑煮の差し入れがありました。

 8時半過ぎにこの日の観光に出発。少し雨が降っています。最初は「世界の果て号」乗車です。かつてのウシュアイアは流刑地で、その囚人に作らせ、また囚人を作業場に運び、木材などを運搬するのに使われていたものです。いわゆる軽便鉄道。おもちゃのような蒸気機関車が客車を引っ張ります。少しの上り坂でも大変そうです。途中駅で1回停車。小さな滝(マカレナの滝)や、広めのU字谷の光景を楽しめます。

 終点からは車に乗って、ウシュアイアの西にあるディエラ・デル・フェゴ国立公園に入ります。南側はビーグル水道、西はチリ領になります。一帯は南極ブナ(レンガ、ニレ、ギン)の森林になっています。ラグナ・ベルデの小屋前で、早速ノウサギに遭遇しました。いま、増えすぎて困っているそうです。車で複数のポイントに移動して、少しずつ散策をします。幸いなことに雨はあがっていました。

 近くのロカ湖(アシガミ湖)には、カイツブリみたいに潜水して魚を獲る鳥がいました。また、湖から戻るときに、誰かがビニールに包んで置いておいておいたらしい動物の遺体をあさっている大型の猛禽類カランチョと、小型の猛禽類チリマンゴに出会いました。このあたりの木々には寄生植物がとりついたり、地衣類が樹皮に付いたりしていました。

 ついで、ビーバーダムの見学。カナダから移入されたビーバーが、いまでは増えすぎて困っているそうです。そして、ビーグル水道から入ってきているラパタイヤ湾。ここはアルゼンチンの国道3号の終点、かつパン・アメリカンハイウェイの終点でもあります。ブエノスアイレスからは3079km、アラスカからは17848kmだそうです。このあたりにはノウサギ(黒色のものも)や、襟巻きをしたスズメみたいな鳥などがいました。

 ついで、エンセナーダ湾近くを散策。木にはパン・デ・インディオというきのこがたくさん付いていました。また、岸辺の岩にはムール貝がぎっしりと付いていました。

 昼は公園内のレストランで、大きなソーセージやラム肉を食べました。

 昼食後ウシュアイアに戻り、今度はビーグル水道クルーズです。上部甲板の船首に立って海を見てようと思い、思い切り暖かい格好+風防対策をしました。正解でした。15時半ころからクルーズ開始。ビーグル水道は、あのビーグル号が通過した水道です。水面に浮かんでいる鳥たちの間を縫ってまずエクレルル灯台へ。

 ここを回り込んでオタリア(Sea Lion)のコロニー(ハーレム)があるロス・ロボス島へ。オタリアは南アメリカ大陸の比較的海水温が低い場所の沿岸にすんでいるアシカの仲間です。アシカ(やオットセイ)とアザラシの違いは微妙ですが、アシカには小さな耳介があるが、アザラシにはない、アシカの後ろ足のつま先は斜め前方にわかれてついているが、アザラシの後ろ足のつま先はほぼ真後ろを向いているというところのようです。つまり、アザラシの方がより水中生活に適している代わりに陸上歩行には向かない、アシカは陸上でもそれなりに活動できる、だから体を起こすことができるのでアシカ・ショーはあっても、アザラシ・ショーはないということみたいです。アシカとオットセイの違いは微妙すぎてよくわかりません。

 次に訪れるのが、ウミウのコロニー(営巣地)があるロス・パハロス島。別のクルーズ船もやってきました。

 最後が、カレロ島に上陸です。ペンギンは営巣していませんでした。少し高いところに登って周りを見たり、咲いている花の写真を撮ったりしました。船の近くにはおなじみのカウケン()の他、何か(他の鳥の雛?)をついばんでいるもいました。再び船に乗って、港に戻ります。2時間半ほどのクルーズでした。

 港からホテルまでは歩いてもたいしたことはないので、散歩したりお土産やさんをのそきながら(恒例であるTシャツや、暖かそうな防寒具を買ったりして)ホテルに戻ることにしました。

 ホテルに戻り、しばらく休んだ後の19時45分ころ、夕食に出発。ところが、お目当てのお店屋さんが、予約時刻を少し遅れたために他の客を入れてしまっていました。なにしろ、元旦で営業しているお店が少ないのです。急遽、別のお店に移動して、それでもカニにありつけました。

 ホテルに戻る途中、ウシュアイアの夜景がきれいでした。また、ホテルに戻った後、バス・タブで渦を作ってみました。南半球の渦です。たまたま北半球と逆の右巻きになりました。

写真はクリックすると拡大します。戻るときはブラウザの“戻る”ボタンをご利用ください。

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朝のウシュアイア。 朝食です。一番上が“お雑煮”。 世界の果て号。緑色の客車もあります。もう1台あるようです。 途中駅。お店も出ています。前は広めのU字谷。 終点で切り離し、転車台(ターン・テーブル)がないので同じ向きで最後部につけて、逆走で戻るみたいです。
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ノウサギ。 カランチョ。 チリマンゴ。群がってきた様子はこちら おなじみになったカウケン(Upland goose)。 ビーバーダム。ビーバーがかじった木はこちら
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国道3号&パンアメリカンハイウェイの終点の道標。フエゴ島内の地図はこちら 氏名不詳の鳥。 パン・デ・インディオです。ゴルフ・ボールより一回り小さいくらいの大きさです。 イヌラン(Dog orchid) 氏名不詳。Dark-bellied Cinclodes(カマドドリの仲間)?
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昼のメインのラム。大きなソーセージはこちら。デザートはこちら いよいよビーグル水道クルーズへ出発。 ウシュアイアの街が遠ざかっていきます。 カモメよりもかなり大きい鳥が、水面を蹴って飛び立とうとしています。 太陽光発電というエクレルル灯台。
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灯台の島にいたRock Cormorant(イワウ(岩鵜))。 ロス・ロボス島のオアタリア(Sea Lion)・コロニー(ハーレム)の主。 ご挨拶。左のオタリアのような格好を、アザラシはとることができません。 クルーズ船の乗客がオタリアを見に船尾に集まっています。 海から見るウシュアイアの街。
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他のクルーズ船。双胴船(カタマラン)タイプが多いようです。ロス・パハロス島で一緒になりました。 ロス・パハロス島のウミウのコロニー。コロニーの拡大はこちら 飛び立とうとしているウミウ(アオメウミウ、Blue-eyed Cormorantという種類みたいです)。 群れで飛んでいるウミウ。拡大はこちら。こちらの種類は、オウサマウミウ(King Cormorant)というものみたいです。 白いのはKelp Gooseの雄。後ろはFlightless steamer-duck。
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カマロ島に上陸します。帰りはこちら 島で見られたWhite Senecio。 トゲヒース(Prickly Hearth)。 島を散策します。別の光景はこちら Holly-lefed Barberry。
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港に停泊している巨大な船は南極クルーズ船のCrystal Symphony号。拡大はこちら メイン・ストリートのサンマルチン通り。市内観光バスはこちら 今でも人気のあるらしいエビータの胸像。拡大はこちら 結局、夕食はこのお店になりました。料理はカニでした。 右巻きの渦ができていますが、南半球の渦は必ず右巻きというわけではありません。バス・タブ程度の大きさで、はコリオリの力は効いてきません。

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