4 原子力  

 化学エネルギーで生命を維持しているわれわれ人類が(地球型生物が)、本当に核エネルギーを制御できるであろうか。 

4・1 核分裂の連鎖反応

 ウラン(ウラン235)の原子核に中性子をぶつけると、原子核がポコッと割れて大きさのほぼ等しい原子核(バリウムやクリプトンなど)に分裂する。その際、その原子核から中性子が2〜3個飛び出す。その中性子が次の原子核にぶつかりその原子核が分裂し、そこでまた中性子が飛び出し、その中性子が次の原子核をという具合に反応が連鎖的に起こる。このようにして、分裂を起こす原子核の数も「ねずみ算」的に増える。これが核分裂の連鎖反応である。 

 核分裂の連鎖反応を起こす元素として、他にプルトニウム(プルトニウム239)がある。 

 この連鎖反応を瞬間的に起こさせるのが原爆で、制御しながら起こさせるのが原子炉である。両者の反応には本質的な違いはない。  

※  ウラン(ウラン235)やプルトニウム(プルトニウム239)などは、一定量以上を集めると、自然に核分裂の連鎖反応が始まってしまう。その量を臨界量という。

※ 水爆は、水素などの核融合反応を瞬間的に起こさせる。ただし、その核反応を起こすための熱・圧力を発生するために起爆剤として原爆が使われる。「純粋水爆」とは起爆剤として原爆を使わないものだが、現在の技術では核融合に必要な熱・圧力が、原爆以外では発生できないのであり得ないものである。



図4-1 核分裂の連鎖反応

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