昔懐かしい、ブリキ製ポンポン蒸気船です。学研の付録はプラスチック製です。
上左は日本製。昔はいろいろなところで売られていました。これを購入したのは20年以上前、500円もしなかったと思います。船室部分の右側に、金属でできた“ボイラー”(左端の部分が見えています)があり、上の薄い金属板が中の水の相変化による圧力の変化でペコポコしてポンポン(カタカタ)と音を立てます。船の下に置いてあるのが、燃料(細く短いローソク)を支える部分です。舵の両側に見えているパイプの片方からボイラーに水を注入し、火を付けたローソクをセットするとエンジン始動です。実際の動きは、youtube動画を見てください。
下はドイツ製です。東京都内の輸入雑貨屋さんで見つけました。結構なお値段でした。そのぶん少し格好よくはできています。“ボイラー“は銅の細いパイプをバネ状に巻いてつくってあります。燃料は固形燃料です。ただ従来のような形式のボイラーではないので、エンジンを始動しても、ほとんど音はしません。そして、航行性能は日本のものよりも劣ります。と思って、箱をよく見たら“Only for decoration”とありました(^^ゞ
上右は学研「大人の科学マガジン」創刊号(2003年4月)の付録です。1967年の「4年の科学」の付録の完全復刻ということです。ブルキ製ポンポン船と比べて、斬新なデザインだったのでとても人気があったそうです。
ポンポン蒸気船については、例のとおり「おもちゃセミナー」(戸田盛和、日本評論社、昭和48年1月)の<第7回 平和鳥とポンポン蒸気船>の項に解説があります。ここでボイラーはバイメタルとしてありましたが、その必要はないようです。またその推力の原因の説明も必ずしも正しいとはいえないようです。水を後ろにはき出すときにはまっすぐに後ろに吐き出すが、吸い込むときにはまわりから吸い込む、そのベクトル的力の和の差が推力になるようです。
google(http://www.google.co.jp)などの検索エンジンで<おもちゃ><船><蒸気>などで検索すると、ポンポン蒸気船を解説・自作のためのサイトがたくさん見つかります。
2002年12月記 2003年4月追記
2003年8月ボイラーはバイメタルではないようなので記述を変更。
動画はyoutubeにアップしました。2010年9月追記。
日本のポンポン蒸気船。下の先にローソクを立て、火を付けてボイラーを暖めるように船にセットする。 | 学研「大人の科学マガジン」創刊号(2003年4月)の付録。ポンポン船「ジェットボート」 |
こちらはドイツ製。下が燃焼室、ここに固形燃料をセットする。 | ボイラーとセットした燃焼室の拡大。 |