計算器

 私の年齢以上の方は見覚えのあるものだと思います。円形計算尺はこちら

手回し計算器と計算尺

 下の写真の手回し計算器は有名なタイガー社製ではなく、NIPPON CALCULATOR社製です。理系の人たちは、わり算の時の「チ〜ン」という音が懐かしいのではないでしょうか。財務関係の人は、かけ算・わり算の答が20桁以上保証されるので、電卓が普及してからもしばらくは使っていたようです。

 右は計算尺です。竹の温もりが懐かしい人も多い? 若い人たちには何の道具かもわからないかもしれない。対数の原理を知らないとたしかに意味不明ですね。かけ算が足し算に、わり算が引き算にといっても。

 私が学生のころは、各大学に大型計算機センターができ始めた時期です。演習で計算機のプログラミング(フォートラン)がありました。バッチ処理でパンチカードを計算機センターに持っていきました。学生に許されたCPU占有時間は1分間、でも計算結果が出るのは早くて数時間後、ひどいときは1週間以上かかりました。

 ですから、ふつうの実験レポートの計算は、下の写真のような手回し計算器や計算尺を使っていました。あと、丸善の「数表」にもお世話になっていました。三角関数の値などこれを見るしかなかった。隣の研究室の教授がヒューレット・パッカード(HP)社製の関数電卓(HP35?)を使っていて、とてもうらやましかった。これが私のヒューレット・パッカード・コンプレックスの始まりだったかもしれない。

手回し計算器:あのパスカル(仏:1623-1662)が原理を考案した。足し算・引き算における、自動繰り上がり・繰り下がりができる。かけ算は足し算の繰り返し、わり算は引き算の繰り返しで行う。 計算尺:これは一番安価だったもの(生徒用?)。世界で圧倒的なシェアを誇ったヘンミ計算尺社製。全長約22cm。これでもかけ算・わり算は有効数字3桁可能。説明書付き。

2002年7月記

円形計算尺

 2003年10月25日(土)に行われた、東京三鷹の国立天文台の特別公開日に配布された円形計算尺です。円形計算尺は“目はずれ”が起きないことが最大のメリットです。上の棒状のものとは好みが別れるところでしょう。

 もしかしてこの計算尺こそが、国立天文台計算センターで使われているという噂のスーパーコンピュータの実体?

 私はこの特別公開日には行けなかったのですが、天文台で働いている方のご厚意で頂くことができました。感謝<m(__)m>。かけ算用、割り算用の2枚セットを切り抜いてつくります。背景はもちろんハワイの“すばる”で撮影されたものです。

かけ算用、2×3=6などが示されています。背景は天王星とその衛星(ミランダ(上)、アリエル(下))。天王星の環もしっかり写っています。
http://www.subarutelescope.org/Pressrelease/2002/02/j_index.html
割り算用、20÷5などが示されています。背景は、Hickson Compact Group 40(ヒクソンコンパクト銀河群40)。
http://www.subarutelescope.org/Pressrelease/1999/01/j_index.html#hcg40

 

2003年11月記

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