つげ義春流れ雲旅

つげ義春流れ雲旅 つげ義春・大崎紀夫・北井一夫 朝日新聞出版 ISBN978-4-02-251877-4 2,600円+税 2023年1月

 大崎紀夫は朝日新聞(文化部?)かつ詩人、北井一夫はカメラマン。1970年代初めこの二人は三里塚の取材もしていたようだ。

 この本は、1969年〜1971年、当時のアサヒグラフに載ったものをまとめたもの6編(「つげ義春流れ雲旅、朝日ソノラマ1971年)再録、他に1969年〜1975年2編+つげ義春夫人の藤原マキ、雑誌「るうじん」の近藤承神子(たかし)を交えた放談会(1973年)、大崎紀夫のつげ義春解説(1969年)、これらにこの3人+つげ義春の息子・つげ正助を加えた座談会(2022年10月)という構成。

 つげ義春が描いたような風景はもう見られないかもしれない。でも、つげ義春がどこを書いても、みな同じような寂れて隠滅な感じになってしまう不思議。まあそういう所が好きなんだろうけど。最後の座談会は調布市の喫茶店で行われたということなので、まだ調布市に住んでいるようだ。

 1973年の座談会でつげ義春は「旅行マンガを描いていても、ほとんどそれは自分の部屋で寝っころがって、考え出して作るもので、それがたまたま実在の地名を使ったりするものですから、〜略〜旅の体験とか、感じとったものがじかにすぐ作品に中に出るということはありません。」ともいっている。確かに現地でスケッチするというようなことはなかったようだ。でも写真が好きなので、写真は撮っていて参考にはしていたと思う。

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2023年2月記

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