気象学入門

図解気象学入門改訂版(2011年の改訂版) 古川武彦・大木勇人 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-532633-6 1,200円+税 2023年7月

 研究者と科学ライターが手を組んで作られた本。気象学全般から天気予報までに渡る手軽な入門書。ただ、新書という制約もあって不十分なところもある。

 例えば大気の安定−不安定。これは非常に説明が難しい所だと思う。つまり、上空ほど気温が低いのはなぜか、冷たい空気が上空にあるのに“安定”なのはなぜか(落ちてこないのはなぜか)、大気の安定−不安定はこれと結びつけて説明しなくてはならないが、それが難しい。
※ いきなり「断熱」と言葉が説明抜きで出てくるが、これも結構難しい概念だと思う。

 大気の動きの説明に欠かせないコリオリの力が、それ自体の説明抜きで出てくる(北半球で動く物体を右に曲げようとする力、緯度が高いほど大きい、赤道ではゼロと)。たしかに説明し出すと切りがないし、説明も難しいので、これを端折るのも一つの見識かもしれないが、不満を持つ読者もいるかもしれない。

目次
1章 雲のしくみ
2章 雨と雪のしくみ
3章 気温のしくみ
4章 風のしくみ
5章 低気圧・高気圧と前線のしくみ
6章 台風のしくみ
7章 天気予報のしくみ

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2023年9月記

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