原発事故と科学的方法/被曝評価と科学的方法

原発事故と科学的方法 牧野純一郎 岩波科学ライブラリー216
ISBN978-4-00-0296165-8 2013年4月第1刷 2014年7月第3刷 1,200円

被曝評価と原発事故 牧野純一郎 岩波科学ライブラリー236
IS978-4-00-029636-6 2015年3月 1,300円

原発事故と科学的方法 目次
まえがき
序章 3.11から最初の一週間 −三重の悪夢のなかで
第1章 原発事故の規模 −自分で考えるための科学的方法
第2章 事故のシミュレーションはなされていた −まかり通った大嘘
第3章 専門家も政府も、みんな間違えた? −あるいは知っていて黙っていた?
第4章 原子力という巨大リスク
第5章 福島原発事故の健康影響をどう考え、それにどう対応するか
結びに
付録:2011年3月19日〜21日に私が考えたこと
補論:ホットスポットと食品汚染

被曝評価と原発事故 目次
まえがき
第1章 過小評価の論理 −花の被曝について
第2章 チェルノブイリでの甲状腺がん 公式発表の情報と私たちに必要な情報との違い
第3章 チェルノブイリでの甲状腺がん以外の健康被害 既存のリスクより大きすぎるからあり得ない?
第4章 甲状腺がん発生に「地域差はない」のか? 県民健康調査から見えることI
第5章 被曝量推定は信頼できるのか 県民健康調査から見えることII
第6章 これからどうなるかを考える
第7章 まとめ

 あの2011年3月の福島第一原発の事故当時、頼りにしたのが事故・放射能汚染についてはこの牧野淳一郎氏(国立天文台→東工大)、被曝量とその危険性については山内正敏氏(スウェーデン国立スペース物理研究所)だった。つまりH氏(T大))でもなく、N氏(T大)でもなかった。その判断はもちろん直感だったが、今振り返ってもそう誤ったものではなかったと思う。後者二人は、事故・リスクを過小評価(じつは“過小”かどうかすらわからない)しているのではないか。これは二人の立場として不安に駆られる“素人”たちを、“専門家”の立場からできるだけ安心させようという善意から来ているとは思うが、その断定的な表現に不安を感じたという面もある。つまり、あの段階では“わからない”ということが多すぎるというと思っていた。判断すべき材料が少なすぎたのだ。これは今でもあまり変わっていないと思う。いえることは、原発はメルトダウンした、放射能(放射性物質)がたくさんばらまかれたということだ。

 下の2冊は、かなり前に購入していたのだが、なんとなく敬遠していた。明日3月11日を前にようやく読んだ。この本はなぜ断定が難しいのかということを科学的に説明しているので、納得しやすい。

※ 「原子力村」の人たちは初めからだめだと思っていた。代表はS氏(東大)。原子炉爆発の映像を見てもなおかつ、「意図的爆破」とかいっていた。ただ、この本を読んで初めて知ったのは、反似非科学で名を売っていたK(H大)や、M氏(K大)(、もちろんH氏も)たちが、事故直後、原子炉のメルトダウンはあり得ないといっていたことだ。こうした人たちに依拠しなくてよかったとも思った。

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2018年3月記

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