将軍家御殿医の娘が語る江戸の面影

将軍家御殿医の娘が語る江戸の面影 安藤優一郎 平凡社新書
ISBN978-4-582-85419-0 700円 2008年5月

目次
プロローグ
第1章 福沢諭吉に背負われて
 1 奥医師の家庭
 2 蘭学サロン桂川家
 3 福沢諭吉がやってきた
第2章 なつかしき江戸の情景
 1 幼きころの隅田川
 2 夢見心地の芝居見物
 3 浜御殿をかけめぐる
第3章 お(ひい)様の御維新(ごいつしん)
 1 桂川家閉門
 2 幕府滅亡
 3 江戸城明け渡し
第4章 武士でも姫でもなくなって
 1 屋敷を取り上げられる
 2 徳川家家臣団の離散
 3 結婚までの日々
第5章 薩長にお辞儀などするものか
 1 波乱の新婚生活
 2 反政府運動のうねり
第6章 すべては夢のように
 1 新たな人生のはじまり
 2 夫を西郷隆盛の所へ
エピローグ
あとがき
今泉(桂川)みね関係年表
 

 江戸時代最末期、御殿医だった桂川甫周の娘みねが、昭和に入ってから語った話。母方の祖父は浜御殿(現在の浜離宮)奉行木村又介喜彦よしひさ、父甫周の弟二人も幕府のエリート(末弟は江戸城明け渡しの時は陸軍副総裁(総裁は勝海舟))という家庭。蘭学サロン的な家だったの、のちの福沢諭吉(背負ってもらったり、足袋の穴を松葉でつついたりするいたずら)などの有名人たちも出入りするという環境。こうした家庭が明治に入ってどのようになったのか。

 ネタの「なごりの夢」(平凡社東洋文庫)も読みたくなったので、思わず注文してしまった(オンデマンド出版)。

なごりの夢 平凡社東洋文庫

2008年6月記

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