黄金郷伝説

黄金郷伝説 山田篤美 中公新書
ISBN978-4-12-101964-6 940円 2008年9月 

目次
はじめに
第1章 コロンブスの航海の本質
第2章 南米真珠狂騒曲
第3章 エルドラド伝説の誕生
第4章 オリノカ川のエルドラドの噂
第5章 サー・ウォルター・ローリーのギアナ発見
第6章 デフォーのオリノコ川植民計画
第7章 地図製作という侵略
第8章 「ギアナ高地」と探検帝国主義
第9章 ベネズエラ国境紛争とモンロー主義
第10章 ドイルの『失われた世界』の新解釈
第11章 パピヨンとエルドラド刑務所
第12章 黄金探しは今も続く
あとがき
参考文献

 エルドラド≒ベネズエラとして、ベネズエラとその近辺地域の西洋列強の欲望の対象となってしまった悲劇の歴史を追う。ベネズエラはいまの黄金=石油の産出国にもなってしまったが。

 デフォーのロビンソン漂流記が、オリノコ川河口沖という想定の無人というという設定になった意味とか、ロビンソンのフライデーの扱いとかが、こうした歴史一連の中でどういう位置を占めているのかがよくわかる。「ロビンソン漂流記」の書評は少し脳天気でした。帯のコピーは真実だと思う。とくに後発国イギリスに於いては。

 オリノコ川とかギアナ高地も一度は行ってみたいところ。

 グアヤナ(Guayama)はオリノコ川からアマゾン川までの広大な地域を指すスペイン語、ギアナ(Guiana)は英領時代の地名、ガイアナ(Guyana)は独立したときに採用した国名とまとめられている。

2008年10月記

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