物語 イスラエルの歴史

物語 イスラエルの歴史 高橋正男 中公新書
ISBN978-4-12-101931-8 980円 2008年1月

目次
序章 イェルサレム
第1章 パレスティナ。イスラエルの国土
第2章 王政以前
第3章 第一神殿時代 紀元前10世紀〜紀元前6世紀
第4章 第二神殿時代 紀元前538〜紀元後70年
第5章 対ローマユダヤ叛乱 紀元後66〜74年/132〜135年
第6章 ビザンツ帝国から初期ムスリム時代へ 324〜1099年
第7章 十字軍時代 1099〜1187年
第8章 アイユーブ朝からマムルーク朝へ 1187〜1517年
第9章 オスマン帝国時代 1517〜1917年
第10章 ツィオニズム運動の開始
第11章 反ユダヤ暴動から建国前夜まで
第12章 イスラエル国誕生
第13章 中東戦争
あとがき
参考文献

 偏見と迫害を受けてきたユダヤ人。そのパレスティナにおけるユダヤ人国家4000年の歴史を俯瞰する。

 その現在のユダヤ人国家イスラエルも、第一次世界大戦・第二次世界大戦における大国の利害により、アラブ諸国とともに翻弄されながら誕生したものであり、当初から矛盾に満ちたものだった。

 一時日本の一部左翼の中に、パレスティナ解放戦線を支持・支援するグループがいた。現在どうなっているのだろう。私は上に書いたように、両方が大国の犠牲者であるとしか思えないので、一方を支持するなどはできない。さらにパレスティナ問題は、感情レベルの問題に深く関わる「民族問題」でもあるのでますます判断が難しい。

 ただ、イスラエルという国家がなかったら、世界に散らばっているユダヤ人は現在どのような運動をすることになるのだろう。

2008年8月記

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