不平等国家 中国

不平等国家 中国 園田茂人 中公新書
ISBN978-4-12-101950-9 740円 2008年5月

目次
まえがき
序章 階層化する中国
第1章 自己否定する社会主義 市場経済化のパラドックス
第2章 復活する学歴社会 不平等を生み出し、隠蔽する力学
第3章 激増する農民工 繋がり、分断される都市と農村
第4章 女性の中の階層化 男女平等主義の曲がり角
第5章 富裕化の社会的帰結 都市中間層は民主化をもたらすか
終章 中国はどこへ行くのか
あとがき
参考文献
附録 本書が利用したデータ

 建前としては平等な社会を目指している中国の現実は、すさまじい階層化社会(もちろん高級党員がトップ)になっている。だが、まだ「夢」があるらしく、自分はだめでも子供に高等教育を授ければリベンジしてくれるだろいうという“幻想”が生きている。そうだから、都市の中間層は国家に対する根本的な不満は抱かない。

 あの北京オリンピックの熱狂的な愛国ぶりを見ると、まだまだ確かに発展途上国、そして中国共産党・政府は民衆(漢民族)の即時的な感情をうまく利用しているなぁと思う。そのうちに冷静になり、また反動もあるだろうがいつのことか。ただ、歴史はソ連崩壊のようにドラスティックに動くこともあるので予想できない。

2008年8月記

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