中国名文選

中国名文選 興膳宏 岩波新書新赤1113
ISBN978-4-00-431113-3 740円 2008年1月

目次
序章 中国の文章を読む
第1章 「五十歩を以て百歩を笑わば、則ち如何」 為政者の使命 『孟子』梁恵王篇
第2章 「北冥に魚有り、其の名を鯤と為す」 飛翔する想像力 『荘子』逍遙遊篇
第3章 「夜 漢軍の四面楚歌するを聞く」 英雄凄絶の死 司馬遷『史記』項羽本紀
第4章 「濁酒一杯、弾琴一曲、志願畢われり」 本音のままに生きる 嵆康(けいこう) 「山巨源に与えて交わりを絶つ書」
第5章 「芳華鮮美にして、落英繽紛たり」 別天地の物語 陶淵明「桃花源の記」
第6章 「物色の動けば、心も亦た揺らぐ」 文学にとって自然とは 劉勰りゅうきょう 『文心雕龍』物色篇
第7章 「天地は万物の逆旅にして、光陰は百代の過客なり」 春の世のうたげ 李白『春夜 桃李の園に宴するの序』
第8章 「千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず」 人材の発見
     「人の世に干いて如何ぞや」 人の世に生きるとは 韓愈「雑説」「殿中少監馬君墓誌」
第9章 「見る所無きに至りて、而も猶お帰るを欲せず」 忘れられた自然との出会い 柳宗元「始めて西山を得て宴游する記」
第10章 「酔翁の意は酒に在らず」 醒めた観察のまなざし 歐陽修「酔翁亭の記」
第11章 「逝く者は斯くの如くして、而も未だ嘗て往かざるなり」 造物者の無尽蔵 蘇軾「赤壁の賦」
第12章 「中れば即ち杯を挙げて大笑し、茶傾きて懐中に覆るに至」 細やかな夫婦愛 李清照「金石禄後序」
あとがき
年表

 「漢文」とは不思議なもの。中国語を勝手に日本語として読み下す。でも、漢文の素養がある人の文章にはリズム感がある気がする。うらやましい。この本はよくある、四字熟語、格言の解説ではなく、文章そのものを味わうためのもの。

 「壬戌じんじゅつの秋、七月既望、蘇子 客と舟を泛かべて、赤壁の下に遊ぶ。…浩浩乎こうこうことして虚にり風を御して、其の止まる所を知らざるが如く、飄飄乎ひょうひょうことして世をわす)れて独り立ち、羽化して登仙するが如し。…其の声は嗚嗚然おおぜん)として、怨むが如く慕うが如く、泣くが如く訴うるが如し。余音嫋嫋として、絶えざることいと)の如し。幽壑ゆうがく潜蛟せんこうを舞わしめ、孤舟の嫠婦りふを泣かしむ。」なんてすらすら出れば。

 上の文を書くに当たり、探すといろいろな漢字を見つけられることがわかった。

2008年3月記

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