音のなんでも実験室

音のなんでも実験室 吉澤純夫 講談社ブルーバックスB1521
ISBN4-06-257521-3 800円 2006年6月

目次
まえがき
第1編 つくって楽しむ音の第1実験室
 I 振動が音をつくる
 II 高い音・低い音
 III 共振・共鳴
 IV おもしろ実験
第2編 調べて楽しむ音の第2実験室
参考図書・参考資料
補足
さくいん

 だいたいが家庭でもできるお手軽な実験で音を楽しむ実験集。第2編ではパソコンとシェアウェア・ソフトが必要。

 III 共振・共鳴の「27 声変わりの秘密」でヘリウムガスを吸い込むと、アヒル声(ドナルドダック声)になることの理由を、ヘリウムガス中では音速が速くなるから音程高くなる(振動数が多くなる)というようにしているが、誤りだろう。人の声は声帯の振動で音を出しているので、弦楽器と同じようにその振動数が変わらなくては、音程も変わらない。音程は変わらないが、倍音構成が変わるので音色が変わるというのがほんとうだ。フルートみたいに気柱の振動で音を出すのはこの説明でよい。

 さらに細かいことをいうと、IV おもしろ実験の「30 音速なんて測れるの?」で、反射音とダブらせて拍子木を50回たたく、つまり49回の往復としているが、51回たたいて50往復の時間を計る方が、はるかに計算が楽になる(時間を2倍して100で割ればいいので、暗算でできる)と思う。

2006年8月記

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