疑惑のアングル

疑惑のアングル 新藤健一 平凡社
ISBN4-582-83323-3 1,800円 2006年5月

目次
はじめに
第1章 写真とメディア
第2章 見えてきた戦争
第3章 戦場とカメラマン
第4章 写真が偽装する戦争
第5章 闇の連鎖の彼方に
あとがき
 
 写真は、どのようにインパクトがあるものでも捏造(スターリン主義者の得意技=歴史の偽造)されている可能性がある。最近では横田めぐみさんの写真が話題になった。筆者は捏造の可能性は低いという立場。一方、旧日本軍の上海爆撃の際の写真という上海南駅の線路に取り残された赤ん坊の写真もやらせの可能性が高いという。いずれにしても、写真そのものの信憑性が疑われている。

 一方、写真が政府(権力)が隠そうとする疑惑を明るみに出す場合もある。

 どのような写真でも、瞬間、それも断面しか写していないので、裁判に使われると逆な意味を持つこともある。

 この本は、こうした写真のことばかりではなく、旧満州にあった満鉄が、今日のシンクタンクの原型をつくったということまでも展開している。つまり、「アングル」が写真のことだけではなく、「視点」という意味も持たせている。

2006年6月記

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