<新>地球温暖化とその影響

<新>地球温暖化とその影響−生命の星と人類の明日のためにー 内嶋善兵衛
裳華房ポピュラーサイエンス267 ISBN4-7853-8767-X 1,600円 2005年5月

目次
1章 生命の星−地球
2章 大気中の温室効果ガス
3章 二酸化炭素と地球気候
4章 人間活動と地球気候
5章 気象環境への影響
6章 生態系への影響
7章 農業・食糧生産への影響
8章 健康と人間社会への影響
9章 未来の地球環境と地球生態系
あとがき
参考・引用した主要な書籍・報告書
索引

 1996年の「地球温暖化とその影響」の全面改訂版。著者はもう70歳代半ばというのに、全面改定を行うという姿勢にまず感服する。また、(1)私たちは地球生態系の居候である、(2)私たちの物質的欲望には越えてはならない上限がある、という姿勢にも納得できる。

 全体としても、「地球温暖化問題」を全般にわたって解説した標準的な教科書といえる。もともとは農業関係の研究者だけあって、とくに農業・植生に関する解説が詳しい。

地球温暖化 シリーズ地球と人間の環境を考える01」(伊藤公紀、日本評論社、2003年)や、「地球温暖化の真実」(住明正、ウェッジ、1999年)などと会わせ読むといいと思う。

※ p.18「水星の一日は地球の約59日に相当するので…」の59日は、対恒星自転周期であり、水星上での一日(太陽日)は約180日(対恒星自転周期の3倍、対恒星公転周期の2倍)である。

2005年6月記

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