サンカ学入門

サンカ学入門 礫川全次 批評社サンカ学叢書1
ISBN4-8265-0379-2 2,000円 2003年10月(2005年3月3刷)

目次
まえがき
序章 なぜ今「サンカ」なのか
第1章 サンカとは何か
第2章 サンカと犯罪
第3章 サンカ研究者としての柳田国雄
第4章 柳田国男と鷹野弥三郎
第5章 サンカと下層民
第6章 サンカの漂白性と被差別性
第7章 サンカ近代発生説
第8章 三角サンカ学について
第9章 沖浦サンカ論を読む
終章 再びサンカとは何か
補章1 説教強盗と三角寛
補章2 八切止夫のサンカ五部作を読む
付録1 サンカに関する文献124
付録2 インターネット「サンカ」案内
あとがき

 サンカとは何かという問いに答えようとはしているが、全体を読んでもやはり実像ははっきりしない。どういう人たちだったのかどころか、本当にいたのかも含めて。今はいないことは確かだろうが。

 説教強盗とサンカにつながりがあることははじめて知った。

 子供のころ、長岡の親戚に遊びに行くと、サンカ(?)の話をしてくれた。まだ、清水トンネルができていないころ、祖母の叔父?が東京から急いで帰らなくてはならなくなり、仕方なく清水峠を歩いて越えることにしたが、明るいうちに峠を越えることができなくなった。そこで、山の中にある一軒家に泊めてもらうことにした。快く泊めてくれ、2階に通された。2階といっても屋根裏のようなところに梯子をかけて登るだけであった。一端寝たが、目を覚ますと下で物音がする。こっそりのぞくと刃物を研いでいる。てっきり襲われると思い、窓から飛び降りて逃げた。後日そのあたりを見に行ったが、建物の跡らしきものすらなかった。身軽に移動できる家、あれはサンカだったに違いない。親切に泊めてあげた男が、2階から忽然と姿を消したので、サンカの方がびっくりしたに違いない。というような話であった。

サンカ学入門
サンカ・廻游する職能民たち
サンカ・廻游する職能民たち(考察編)

2005年6月記

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