マグダラのマリア

マグダラのマリア 岡田温司 中公新書1781
ISBN4-12-101781-1 800円 2005年1月 

目次
はじめに 両義的な存在
第I章 揺らぐアイデンティティ
第II章 マグダラに倣って(イミタティオ・マグダレナエ)
第III章 娼婦たちのアイドル
第IV章 襤褸(かかふ=ぼろきれ)をまとったヴィーナス
おわりに 生き続けるマグダラ
参考文献

 マグダラのマリアはなんとなく、悔い改めた娼婦というイメージだった。しかし、彼女が娼婦だったという記述は聖書には一切ないらしい。せいぜいイエスによって7つの悪霊を追い払ってもらった女という程度。その彼女がイエスの再生に立ち会うことになる。だが、こうしたことすら「男」社会では許されない。4つの福音書の中でも微妙な扱いの差が出ているという。

 宗教としては、どんなに悪いことをしても、あるいは悪いことをしたからこそ、悔い改めれば救ってくれるとしなければ意味がない。

 歴史的事実としてイエスがいたとしたら、マグダラのマリアはまさにその愛人(あるいは正式な妻)という人だったのだろう。

2005年2月記

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