中世の非人と遊女

中世の非人と遊女 網野善彦 講談社学術文庫
ISBN4-06-159694-2 960円 2005年2月

目次
序章
第I部
 第一章 中世身分制の一考察−中世前期の非人を中心に
 第二章 古代・中世の悲田院をめぐって
 第三章 中世の「非人」をめぐる二、三の問題
 第四章 検非違使の所領
第II部 中世の女性と遊女
 第一章 中世の女性
 第二章 遊女と非人・河原者
 第三章 中世における女性の旅
 終章
あとがき
初出一覧
解説 山本幸司

 1994年に明石書店から出版された本の文庫版。著者の網野氏は昨年2月になくなっている。

 非人は穢れを扱うと共に、清めをする能力もある職能集団だった。また身分も検非違使直属という扱いだった。それが鎌倉末期〜室町〜江戸初期にと被差別集団になっていく。現在、言葉の扱いは厳しく“ひにん”では単純には“非人”と変換できなくなっている。

 また最近はすでに常識かもしれないが、日本では江戸時代初期までは女性は比較的自由で、表に出なくなった江戸時代にもそれがつながっていたらしいことを述べる。

 史料を示しながら議論を進めるが、素人のこちらには読み進めるのが大変である。

2005年3月記

戻る  home