「忠臣蔵事件」の真相

「忠臣蔵事件」の真相 佐藤孔亮 平凡社新書205
ISBN4-582-85205-X 740円 2003年12月

はじめに
第一章 松の廊下事件の真相
第二章 浅野内匠頭長矩の謎
第三章 吉良から見た忠臣蔵
第四章 忠臣蔵を作った男・多門伝八郎
第五章 討ち入りの真相
第六章 紆余曲折の後始末
第七章 『仮名手本忠臣蔵』の真相
あとがき
「忠臣蔵事件」年譜
おもな参考文献

  虚構が先走る『忠臣蔵事件』の真相を追う。とはいっても、私自身は人形浄瑠璃・歌舞伎の虚構の世界もあまり知らない。ただ、討ち入りの12月14日はまさにタイムリミットだったようだ。11月末からでさえ、3人の脱落者が出ている。

 幕府は松の廊下事件では、浅野家側のみに罪を負わせたが、討ち入り事件では世論を気にして、家督を継ぐ予定だった左兵衛義周(上野介の実孫)は、奮戦して重傷を負っているのに(戦わなかった家人が多いのに)、信州高島藩に流され、そこで横死している。

 それにしても一番の謎は、浅野内匠頭長矩がなぜ刃傷に及ぶまでの恨みを吉良上野介に抱いたかで、これについてはこの本でもわからない。

2004年1月記

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