生命40億年全史

生命40億年全史 リチャード・フォーティ 渡辺政隆訳 草思社
ISBN4-7942-11899 2,400円 2003年3月

第1章 悠久の海
第2章 塵から生命へ
第3章 細胞、組織、体
第4章 私のお気に入りと仲間たち
第5章 豊饒の海
第6章 陸上へ
第7章 森の静謐、海の賑わい
第8章 大陸塊
第9章 壮大なものと控えめなもの
第10章 週末理論
第11章 乳飲み子の成功
第12章 人類
第13章 偶然の力
訳者あとがき
索引

 「三葉虫の謎」の著者による、生命の発生から、われわれ人類までの生命進化の流れの解説書。例により著者の教養溢れる文章、おまけに仲間の古生物学者のプロフィールも紹介しながらの文なので、おもしろいといえばおもしろいが、正直いって煩雑な感じがする。

 相変わらずグールドに対する対抗心が感じられる。第4章ではグールドのバージェス頁岩から出る化石の解釈に対する痛切な批判(既知の動物との共通点を探れば、奇妙さは薄れる)を述べている。

 第10章はいわゆる隕石衝突説が出たあとの、地質学者達の狼狽、支持するかどうかの葛藤が書かれていておもしろい。そもそもノーベル物理学賞受賞者(アルヴァレス父)が論文(1980年、サイエンス)の著者の一人でなかったら、論文審査(審査員の一人がこれまた有名な古生物学者ラウプ)にも通らなかっただろうといっている。著者は1980年代の半ばに、隕石衝突の際に作られた石英の超高圧相の偏光顕微鏡写真を見て、隕石衝突を受け入れたという。

2003年3月記

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