物理のトビラをたたこう

物理のトビラをたたこう 阿部龍蔵 岩波ジュニア新書434
ISBN4-00-500434-2 780円 2003年5月

目次
1 スピードの魅力
2 マゼランの世界一周
3 ニュートンの記念切手
4 こまと地球の回転
5 霧雨から素粒子を考える
6 エネルギーの話
7 アインシュタインと知恩院
8 日本刀と電磁波
9 ウィルスの発見
あとがき

 肩の凝らない物理の入門書。「ニューートン」の項に1950年の東大「ニュートン祭」の思い出が書かれていて、朝永振一郎、本多光太郎、田中館愛橘(1856〜1952年、田中館愛橘記念科学館参照)などが講演したという。歴史的な人物思っていた田中館がこんな所に出てきたのでビックリ。もっとも、すでに当時94歳、でも声は張りがあって元気だったという。先日、ニュートンの人工衛星の説明図(この本ではp.47のニュートン記念切手の左下の図)はおかしい、軌道は放物線になるのではないかという質問を受けた。彼は地表でボールを投げるイメージを持っていたので、こうした大きな規模の運動では、重力の方向が違うという点がポイントだといったら、納得してくれた。

 あと、「こまと地球の回転」の項に歳差の説明が出ている。最近こうしたことは授業で説明しきれなくなっているので、参考図書としてあげようと思った。

2003年6月記

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